2012年5月3日木曜日

宮城県報告(最終回)

昨年、ゴールデンウィークを利用して東北にボランティアに行って1年が経ちました。
今年も行けると良かったのですが、
今年は、これから始まる仕事のための準備(これまでの片づけが主です)等の時間に充てています。

さて、とびとび掲載となってしまった宮城県報告ですが、今回で最終回としたいと思います。

宮城県調査の最後は、ボランティアの方、地元の方のお話を伺いました。
まずは登米市にある「RQ市民災害救援センター」に。
廃校になった地元の小学校の校舎を利用してのボランティアセンターで、その校舎は木材がふんだんに使われ、もとの学校の活動が分かる掲示物がたくさん残っていました。
過疎になっていく町での震災。
ボランティアの方の滞在によって、
これまで描いていた地域の未来と、震災後に描く地域の未来が、辛さを経ながらも、少しはよい方向に向かっていって欲しいと願わずにはいられません。

広瀬さんには、RQが支援活動を行った志津川中瀬地区のリーダー佐藤区長さん、歌津地区の牧野前町長と千葉さん(伊里前契約会会長)のところにも連れていたっていただきました。
それぞれ高台移転と地域の絆、地域の再生、消防団の活動などについて貴重なお話を伺いました。
地域のリーダーとして、地域の方々の生活を守るために、
仕事も、絆も、歴史も、子どもたちの未来も…と、さまざまなことに思いを巡らし、
知恵を使い、
地域の生活の実態と、被災者へのさまざまな手当てとのギャップを埋めるために発信をし、
そして、支援の方々への感謝を口にされました。
愛知で、被災者の方が作ったミサンガなどは販売されていることには、
本当にありがたいとの言葉もありました。
また、「文化」がこれからの時代の中心になるべきだとも言われました。
経済を中心に考えるのではなく、次の世代に伝わる文化、自然と共生していく文化、物にとらわれない文化、精神性に価値を見出す文化…
震災への対応とともに、「文化」をどのように考え、発信していくかを大きな課題としていただきました。
大変に難しい課題ですが、
どこに価値を置くのかという視点でいけば、県議会でも文化を討論していくことになると思います。

さて、愛知県では災害廃棄物の受け入れについて、
基本調査として、次のような点を検討し、調査を進めていくことになりました。
(1)受け入れの基本的条件の概略検討
 ①災害廃棄物の搬入手法検討
 ②受入れ施設の工法等検討
(2)仮置き場の規模・構造の調査・設計
(3)受入れ基準等の検討
 ①受入れ基準の設定
 ②検討体制の検討
(4)生活環境影響調査の実施
 ①項目の選定
 ②現地調査の実施
 ③生活環境影響調査書の作成
順次、委託業者が決定し、調査が進んでいきます。

さて、宮城県の調査の最後には南三陸町の防災庁舎を再度訪問させていただきました。
庁舎は1年前よりは片付いていましたが、
今回は、震災前の庁舎付近の町の写真を見てから訪問しただけに、その周囲の変貌を1年前より感じることができました。

さて今、介護の現場を描いている「ヘルプマン」というマンガで、
震災の時の様子が連載されています。
東北に居合わせた社会福祉士の目を通した震災時の様子を読んでいます。
新たに怖さを感じています。