2014年5月11日日曜日

「詩人の魂に みみをすます」

谷川俊太郎さん(詩人・翻訳家・絵本作家)と、谷川賢作さん(俊太郎さんのご子息で、作曲家・ピアニスト)の、お話と詩の朗読と音楽を聴く機会を得ました。
全国教育女性連盟愛知県支部の結成50周年の記念講演会が、お二人を招いて行われたのでした。

谷川俊太郎さんご自身がいくつか詩を朗読して下さいました。
新たな言葉との出会いとなりました。

以前、私も授業で教えていた「朝のリレー」の朗読もありましたが、
最初の「カムチャッカ」の「ツ」を、促音というより、ハッキリと「ツ」と発音されていて、
作者はこう読んでみえるんだと、これまでの授業とは違う読みに
「これが谷川俊太郎の読みなんだ」と感動を覚えました。

他にもたくさん刺激をいただきましたが、以下、懐かしい詩「朝のリレー」です。
今日は、この詩を作者ご自身の声で聴くことができたのでした。


   カムチャッカの若者が きりんの夢を見ている時
   メキシコの娘は 朝もやの中でバスを待っている
   ニューヨークの少女がほほえみながら 寝返りをうつとき 
   ローマの少年は頭柱を染める 朝陽にウインクする
   この地球では いつもどこかで 朝がはじまっている
   ぼくらは朝をリレーするのだ 緯度から 緯度へと
   そうしていわば交替で地球を守る 
   眠る前のひととき 耳をすますと
   どこか遠くで 目覚まし時計のベルが鳴っている
   それはあなたの送った朝を 誰かがしっかりと受け止めた 証拠なのだ